「アドバイス」の謎

無責任であることに無自覚な「普通の人」 - 模型とかキャラ弁とか歴史とか

 上記の記事とその反応を読んで、以前から抱いていた疑問を思い出した。

 念のため断っておくと、私はD_Amonさんの記事に対しては全面的に共感する立場だ。差別しないでよ、程度のことを書いただけで何度も「はてサ」呼ばわりされてきた身としては、決して他人事でもない。した覚えのない「糾弾」をしたとか言われたり、「近づかないようにしよう」とか言われたり……。

 で、私が抱く疑問というのは、こういった記事に対して「アドバイス」をしてくる人たちに対するものだ。

 はいはい、君が言っていることは正しい。しかしそんな言い方では「普通の人」から引かれるって。もっとよく考えなよ。……と、そういった趣旨の「アドバイス」をしてくる人が毎回のように出てくる*1。面倒くさいので具体的に名前を出すことは控えるけれど、上のはてなブックマークにもそういう人たちが何人もいる。

 しかし、なぜその人たちは「普通の人」ではなく「左翼」(サヨク)の側にアドバイスをするのだろう。たとえば「普通の人」の側に向かって「左翼はいいことを言ってるんだよ。語り口にドン引きしたりせず、是々非々で判断しなきゃ」と、「左翼」の言葉に耳を貸すように働きかける人はなぜいないのだろうか*2

 とりあえず私の経験と偏見と想像力と内心の忖度力に基づき、いくつかの仮説を挙げることにする。

(1)労力説
人口比率を考えると「普通の人」に対して「左翼」のほうが圧倒的に少ないので、説得の手間が少なくて済む「左翼」の側に重点的にアドバイスする。
(2)マイノリティ軽視説
上と似ているが、譲歩するなら少数派の側だという固定観念のために、多数派にあたる「普通の人」に考えを変えてもらうという発想が出てこない。
(3)難易度説
「左翼」のほうが「普通の人」よりも説得しやすい(忠告を聞き入れてくれる)、あるいは「普通の人」の説得は無理だ(忠告を聞いてくれない)、といった理由でより容易な側へ。
(4)藤崎詩織
左翼に味方して、友達に噂とかされたら恥ずかしいし……という左翼に対するよくわからない忌避感。
(5)俺は一味違う説
左翼(サヨク)を自称するアドバイザーの、あいつらとは一味違う自分を演出したいというしょうもない欲望。
(6)悪意説
そもそもアドバイスのつもりなどなく、単に「左翼」が嫌いだから適当にくさしたいだけ。あるいは、「普通の人」が「左翼」の言葉に耳を貸さなくていい口実を作るための補助。
(7)その他
ここに挙げた以外で、私の想像の及ばない別の理由。

 わざわざIDコールはしないけれど、もしアドバイザーの自負がある方がこれをお読みになったなら、どれがご自身の行動原理に最も近いか回答を頂けると嬉しい。

*1:わざわざ「普通の人」「アドバイス」などとカギカッコつきで表記していることにも含みがあるのだけど、このエントリでは文字通りの意味に受け取ってもらっても話は通じるだろうから解説は省略。

*2:もしかすると単に私が見落としているだけかもしれないが、見落としはないとして。