上っ面の苦悩や自省

 またMukkeさん(とT-3donさん)ネタ。私はかつて以下のような文章を書いた。

 ここで名前を出したsionsuzukazeさんとMukkeさんには一応IDコールをしておく。しかし特に応答は不要だし、わざわざ苦悩するようなポーズも見せてくれなくていい。上の要望を頭の片隅にでも留めておいてもらえれば充分だ。

「この差別主義者めー」 - 徒労の雑記

 これに対し、はてなブックマークで以下のような指摘があった。

T-3don [差別] カジュアルな差別。/でもさ、”わざわざ苦悩するようなポーズも見せてくれなくていい”ってのは、嫌みに過ぎないか? 大体、Mukkeさんが苦悩しているように見えたなら、その時彼は本当に苦悩してるよ。 2011/01/15

はてなブックマーク - 「この差別主義者めー」 - 徒労の雑記

 このように「嫌み」と言われてしまったことは不本意であるので、何を意図して「わざわざ苦悩するようなポーズも見せてくれなくていい」と書いたのか今さらだが説明する。

 実は言われてから気づいたのだが、確かにあれは「いつもやってるみたいな三点リーダとかを使ったわざとらしい苦悩していますアピールはしなくていいよ」といった意味に読めなくもない。しかし私が言いたかったのはそういうことではなく、「表面的には苦悩や自省をしているようでいて、しかし巧妙に話を逸らすという不誠実な真似はやめてほしい」という要請のつもりだった。遠回しというよりも言葉足らずな表現だったと思うので、改めてここに補足する。

 もちろんこう説明しても「Mukkeさんは苦悩、自省している振りをして話を逸らすようなことはしない」という反応があることは予想がつく。しかし私はMukkeさんが耳の痛い指摘を受けたときゴニョゴニョ論点をすり替えて真摯に省みることを拒む場合があると思っているので、ついつい念のため付け加えてしまったというのが真相だ。つまり「苦悩するようなポーズ」がMukkeさんのそれを想定していた点については間違いない。sionsuzukazeさんはそんなことをしないと信じていたわけでもないけど。

 そして残念なことに……まあ分かりにくかったせいもあるだろうけど、私の願いは伝わらなかった。私のエントリに対するMukkeさんの反応が、まさに懸念したとおりのそれだったからだ。実はここまでが前置きで、以降が本題だったりする。

http://d.hatena.ne.jp/Mukke/20110116/1295151238

 私はMukkeさんがsionsuzukazeさんの差別発言を看過していることを示し、その理由を推測し、もうそういうことをしないでほしいという要望を(Mukkeさん以外の人々に対しても)述べたつもりだった。しかしMukkeさんはその要望についてはろくに応答なさらず、私が興味なしアピールをしていた「看過した理由」ばかりを言い訳がましく説明なさっていた。Mukkeさんにとっては、差別発言に対する姿勢をはっきり示すことよりもご自身の体面を取り繕うことのほうが優先順位は上であるらしい。確かに「頭の片隅にでも留めておいてもらえれば充分」とは書いたけれど、関係ないことを熱心に返答されると本当に伝わっているのか心配になってしまう。

Mukke [言及されました] そうですね。他者の発言を適当に読んでスターをつけるということを良識に従って自省しようと思います。ご指摘ありがとうございました。 2011/01/17

はてなブックマーク - 「この差別主義者めー」完結編 - 徒労の雑記

 この発言からも窺えるように、Mukkeさんの「自省」はあくまでコメントをよく読まずにスターをつけたという行為に対するものだ。「在特会のような連中さえ批判していれば『免罪符』を得られるものと思っていた」「(たまたま今回は違うにしても)場合によっては自分も差別発言に対して寛容な態度を取ってしまうのではないか」といった自省は一切なされていない。「差別発言その他を開き直るコメントにスターをつけてしまっていた」という自省ですらない。そういったところこそ見つめ直していただきたかったのに、見事にスルーされてしまった。いやMukkeさんは本気でそういう自省は不要とお考えなのかもしれないけれど。

 正直に申告すると、私はMukkeさんのおっしゃる(予想もしていなかった方向の)「自省」すら口先だけのものだと考えている。第一の理由は、sionsuzukazeさんのコメントへの曲解が正されていないこと。第二の理由は、以下のブックマークコメントに対する反応だ。

filinion [はてな] "ある発言を批判しなかったこと"を名指しで非難された上、こんな自己批判をするはめになるのが本当のはてサ社会なのか…。私は甘かった。ネトウヨは嫌いだけど"本当のはてサ"文化圏にも近づかないよう気をつけよう。 2011/01/16

はてなブックマーク - なぜわたしはあの時何も言わなかったのか - Danas je lep dan.

 Mukkeさんはこのコメントに対し、全面的な肯定は避けつつも喜びと感謝の言葉を返していらっしゃる*1。しかし、よく読まずにスターをつけたことを(私から強要されたのではなく)ご自身の意志で自省なさったのであれば、「こんな自己批判」呼ばわりをされてヘラヘラ喜べるはずがない。もしかしてあのエントリ自体が「不条理な自己批判を強いられている俺」という印象操作だったのかという疑念すら浮かんでくる。

 以上の理由により、少なくともこの事例のMukkeさんに関しては、真摯な自省を拒み場当たり的な言い訳で体面を保とうとする不誠実な人物であると断言できる。これを事実に反する、あるいは事実であっても許しがたい侮辱とお思いになるなら、Mukkeさんは堂々と怒りを表明なさるべきだ。俺は真摯に自省していた、それを口先だけとは何事だ、と。Mukkeさんのブックマークにあるタグでいえば[あたまがおかしい][あたまがわるい][あらあらうふふ][お前が言うな][きもちわるい][これはひどい][というか死ね][どの面下げて][もはやギャグ][エェェ(´д`)ェェエ][必死だなw][捨て身のギャグ][死ねばいいのに][( ゚д゚)ポカーン]あたりをお好きなだけ使って私を批判、罵倒、嘲弄してくださって結構だ。もちろん今度こそ本心から真摯に自省してくださるというのが理想ではあるけれど。例によって自省した振りをするだけ、あるいは歯切れの悪い言葉で不貞腐れるだけであるのなら、いっそ完全無視に徹するほうがお互いの精神衛生にはよろしいとは思う。

 それと最後に。今回は自省の話になったけれど、Mukkeさんが苦悩なさっている(ように見える)場合も似た事例があると思っている。そこを苦悩するのは本当に苦悩するべき点から目を逸らしているだけだろう、という。もしMukkeさんの苦悩が例外なく真摯で的確なものだと確信できる方がいらっしゃるなら、その例を適当にいくつか挙げていただければ幸いだ。そのうち一つでもピントのずれた苦悩を指摘できたなら私が適当なことを言っていない証拠になるだろう。運悪く挙げられた中にちょうどよさそうなものがなかった場合は、「ほらこれだよこれ!」とむきになって実例を示すこともあるかもしれない。もちろん実例を示せない場合は真摯に自省するつもりだ。

おまけ画像(2016年2月4日追加)

 この記事をアップしてから3年以上も経っているけど、ふと思い出したので追加。Mukkeさんの「自省」は信用ならないと改めて確信した一件。

*1:「こんな自己批判をするはめに」「"本当のはてサ"文化圏にも近づかないよう気をつけよう」をありがたがるのも変であるし、はてなブックマーク - 「この差別主義者めー」 - 徒労の雑記での『Mukkeさんがかわいそう過ぎる。「普段は差別を非難しているのに今回は非難しなかった」というだけで、あたかも差別発言を肯定したかのような扱い。何かを採り上げない・反応しないことで個人を糾弾するのは酷だよ。』への感謝と読むべきかもしれない。その場合Mukkeさんも「反応しなかったことで糾弾された」という認識なのだろうか……。