sionsuzukazeさんは何を自省なさったか

 元は上のエントリの一部(Mukkeさんの「自省」が疑わしい理由その一)だったけれど、長くなったので分割。hokke-ookamiさんが書かれた記事と、それに対するsionsuzukazeさんの反応について。

sionsuzukaze やれやれお疲れ様でした。ここまで追うのは手間でしたでしょうに。まぁ都度都度いろんなことを書いてますからね。そりゃイラっとして書くこともあればそうでないこともあり。自省を含めてコメントは消しませんし。 2010/11/28

はてなブックマーク - そもそも人間は自分が被害者であるかのように記憶を変容させてしまう生物なのかもしれない - 法華狼の日記

 このsionsuzukazeさんの返答は実に非礼で不誠実なものだと私は思う。しかしMukkeさんは何も問題視なさらないどころか、このコメントにスターまでつけていらっしゃった。あまりにひどいと感じたので、2年ほど前に私は自身のブログでこの事実を取り上げた。それに対するMukkeさんの釈明が以下。

〔略〕自省を含めてコメントは消しませんし。

 わたしが注目したのは太字で強調した箇所でした(だったら引用スターつけろよ,という批判はまったくそのとおりであるので甘受します)。要するに今現在の彼が自省しているならいいだろう,と。間違った発言であってもあえて消さないというのもポリシーとしてはアリだろうと思ったので。少なくとも今現在彼が反差別側に立ってるのは明らかだから,というのもあります。
〔中略〕
 ただし現在よくよくこのブクマコメを読み返してみると,「いやついイラっとしたからといっても書いていいことと悪いことがあるだろ」とか,ツッコみたいところはあるので,当該ブクマコメの都合の良いところだけを読んで都合の良い解釈をしていたという点ではわたしにも反省すべき点があったと思っています。正直に言って,彼がそのような発言を現在も肯定しているとは信じられない,信じたくない,という思いがそのように認知を歪ませたのだろうか,とも思います。その点に関するご指摘はありがたく受け止めさせていただきます。

http://d.hatena.ne.jp/Mukke/20110116/1295151238

 このMukkeさんの反省が「差別発言を看過してしまっていた」というものでは決してない点は改めて強調するとして、とりあえず確認しておくなら、sionsuzukazeさんは「イラっとして書いた」とも「自省している」とも明言はなさっていない。何をイラっとして書いたのか、何を自省したのか、具体的なことは一切述べていらっしゃらない。にも関わらずMukkeさんはいずれも自明のものとなさっている様子で、この点に関する認知の歪みは「反省」後も結局お気づきにならなかったようだ。

  • 誤った記憶に基づき「極右」呼ばわりされた(=相手が的外れなことを言った)と他人を揶揄
  • 自身に向けられた言葉に対しては「右左二元論は嫌い」と言いつつ、他者に対しては平気で「左の皆様御用達」などと記述
  • 従軍慰安婦の問題にライタイハン問題を持ち出す品性低劣な(これはhokke-ookamiさんではなく私の評価だけれど)相殺法
  • 『世の中のあらゆる「パクリ」と「偽造」を一通りやらないと気がすまないんだろうな、あの国は。』と空気に乗ったカジュアルな差別発言

 私のエントリのせいで差別発言だけが問題視されたものと誤解なさっている可能性もあるが、hokke-ookamiさんの記事においては、少なめにカウントしても以上のような突っ込み所が挙げられていた。Mukkeさんはsionsuzukazeさんがこのすべてを「イラっとして書いたが、今は自省している(でも消さない)」ものとお思いなのだろうか。まあ差別発言についてhokke-ookamiさんが『誠実さを示すため撤回なり補足なりするだろうと期待しておく。』と書かれているので、sionsuzukazeさんのコメントはそれのみに対応しているという判断かもしれないけれど。仮にその解釈で合っているとしても、撤回や釈明を促されたのに削除の話になるのはねじれているとは思う。

 ところで上のhokke-ookamiさんの記事には後日談のようなエントリがあり、そちらにもsionsuzukazeさんのブックマークコメントがついている。

sionsuzukaze 予定通りの捕捉お疲れ様です。別に議論とかコールとか全然無問題ですよ、別に。「捕捉」云々は自嘲コメントですので悪しからず。リンク貼られてるんだからそれくらいは理解してますし、別段隠す必要ないし。 2010/11/30

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 これは記事本文と合わせて読むとあまりに見苦しい反応だと私は感じるけれど、Mukkeさんはしっかりとスターをついていらっしゃる。このみっともないコメントのどこに賛同できる要素があるだろう。ひょっとしてMukkeさんも本心ではhokke-ookamiさんの指摘全般をくだらない粘着の難癖と思っていらっしゃるのだろうか。

 いずれにせよ、hokke-ookamiさんの指摘にしょうもない煽りで返すsionsuzukazeさんに批判的な視線を向けることもせず、差別発言その他をうやむやにごまかしているにも関わらず「反差別の側に立つのは明らか」とまで持ち上げるMukkeさんの「良識」はとても信用する気になれないというのが正直なところだ。これはあくまで上のエントリの補足であるし、2年も前の古い話であるし*1、Mukkeさんも面倒くさいであろうし、耳を貸さない口実はいくらでも用意できるであろうから、特にこちらのエントリに対しては応答はしていただかなくて結構だ。

 ところで、sionsuzukazeさんも私とhokke-ookamiさんのエントリへの応答をはてなダイアリーに書いていらっしゃったが、現在はアカウントごと消えている*2。自省を含めて消さないという方針であるのならダイアリーも残しておいてほしかった。というのも消えた応答エントリに明確な自省や悔恨の言葉があったら大変に気まずいからだ。このエントリはあやふやな記憶に基づき、「なかった」ほうに賭けて書いている。もし「あった」ことが確認されたなら、Mukkeさんその他の私を不愉快に思っている方々は堂々と私を嘲り罵ることができるだろう。

*1:リアルタイムで突っ込まなかった理由は、ある程度の期間を開けたほうがお互い冷静に振り返れると判断したから。ここまで遅れるつもりはなかったけど。

*2:参考:はてなブックマーク - その通りのことですので - Consideration of the history