[自称・差別問題に敏感]山本弘

 タイトルは『シンデレラガールズ』ネタ。これは陰鬱な気分を少しでも和らげたいという意図であり、私がそのように思っているわけではない。
 ここから本題。

平和主義者が有する排他性について(相原たくや氏と山本弘氏の会話を中心に) - Togetter

 数日前にこれを読んで驚いた。私は故・志水一夫氏のことを醜悪な差別主義者で、妄想に満ちた陰謀論者で、悪質な歴史修正主義者であると見なしており、その認識はある程度ウェブ上で共有されているものと思っていたからだ。しかしそれは大きな勘違いだったらしい。はてなブックマークなどを含めても、志水氏の人間性を疑っているようなコメントはほとんど見られなかった。

 上記のまとめから漏れているため最初は気づかなかったが、実はやり取りの途中で私のダイアリーへのリンクが張られていたらしい。twitter自体をよく知らないため、どういう規則でツイートが連続表示されるのかも理解していないが、とりあえずこちらのツイートから引用(というかキャプチャ)。

 ここで示されていたのはこちらのエントリで、そこで私が紹介していたのは志水一夫氏のmixi日記だった。おそらくmixiの会員しか読めないと思うので以前のように画像を貼る。


 台風で中国に死者が出たのは靖国参拝に反対した報いかもねー、と言わんばかりの実に品性低劣な発言だ。山本氏もさすがに発言そのものの擁護は無理と判断されたようだが……

 私は目を疑った。特定の国を嫌っていて、その国に対してだけ「人道に反した発言」を平然と、日常的に行うのであれば、その人物は文句なしにレイシストだろうに。
 実際、当該日記のコメント欄でも「言いすぎだ」「ひどい」といった声は皆無で普通に流されていた。日記を読みに来るような人々にとってはあれが志水氏の「平常運転」であり、違和感も嫌悪感も抱かなかったからだろう*1。それを今になって「暴走」などと特例のように語るのは、あまりに白々しすぎる。

(4月20日追記:指摘するのを忘れていたが、上記の流れでmixi日記の件以外にも「ソース」はいくつか挙げられていた。しかしTogetterまとめではそれらの箇所もすべて抜け落ちているため、志水氏が無根拠にレイシスト呼ばわりされているように受け取る人が多いのかもしれない。なお山本氏もmixi日記以外については明確な反応を返していないようだ)

 志水氏を差別主義者、陰謀論者、歴史修正主義者と見なす根拠はmixi日記だけでも充分であると思う。あとわかりやすいところではAmazonのリストとか。その他のウェブ上にも志水氏のアレな文章は残っているかもしれない。

 で、私は「具体的に例を挙げろ」と言われることを予想し、「証拠画像」でもキャプチャしておこうかと、志水氏がmixi日記を始めた2005年の3月分から、適当にそれっぽいタイトルをチェックしようとしていた。そして早くも4月の日記のコメント欄で衝撃を受けることとなった。


 実のところ私は、山本氏は志水氏のレイシスト的な面が都合よく目に入らなかった振りをしているものと邪推していた。志水氏の差別発言の頻度から考えればあまりに無理があるけれど、自身の人望があれば強引に押し切れるという判断をしたのか、と。

 しかしこれを見ると、それよりさらにひどい疑いが頭をもたげてくる。そもそも山本氏は志水氏の発言程度では「差別的」と感じないほど人権感覚が麻痺しているのではないだろうか? さすがに「在日を追い出せ」「殺せ」になれば明確に批判なさるようだが、特定集団への嘲笑や蔑視を繰り返していた志水氏をわざわざ差別主義者ではないと擁護なさっているのだから、良識のセーフラインがかなり低い位置に設定されているのは確実だ。

 差別問題に敏感と自称している方ですらこの体たらく……*2。もしかして私が気づかないうちに現代の日本社会における良識、あるいは「普通」の基準は信じられないほどに悪化していたのだろうか。最大限好意的に解釈するならば、ここまでひどいのは中国や韓国、北朝鮮あるいはそれらの国民に対しての意識に限られるのかもしれないけど。

 なお志水氏の日記のキャプチャだが、上記の理由で気力が萎えたために早々に中断した。読むだけでも気分が悪いのに、それを示しても「どこが差別だよwwww」という反応が多数なのだろうと思うとモチベーションが維持できない。まあ「見つからなかったからだろwwwwww」などと煽られたら苛立ちと自分への義務感で続けるかもしれないので、志水氏が差別的な発言をするはずがないと心の底から確信する方々は全力で挑発してくださって結構だ。

 まだ書き足りないこともあるが、正直このエントリを書くのも精神的にしんどいので、一旦このあたりで切り上げる。私は地位も名誉も財力も持たない日本の一般市民であるけれど、せめて志水一夫氏レベルの差別者であれば嫌悪の視線を集めるような社会であってほしいと願う。

*1:もちろん志水氏が意に沿わないコメントを粛々と削除するような人であった可能性はある。あるいは、志水氏のような人間にそれを指摘しても無駄だと思って何も言わなかった人々も多いかもしれない。

*2:あまり言いたくないけれど「差別問題に敏感」ではなく「自身が差別者と見なされることに敏感」というのが事実に近いと思う。

ペイント漫画に挑戦

山本弘のSF秘密基地BLOG:アングレーム国際漫画祭で何が起きたか
山本弘のSF秘密基地BLOG:続・アングレーム国際漫画祭で何が起きたか

 このへんを読んで釈然としなかった気持ちを、せっかくなので四コマ漫画で表現する。

 四コマ目は今後の山本弘氏の応答によっては書き換えるかも。
 思いついてから画像が完成するまでの所要時間は休憩を挟んで約2時間。作っている途中で気づいたけれど、「配慮」でなく「考慮」であるのなら、この場合は間違ってはいないのかもしれない。
 これは思いつきの突発ネタであるので、山本氏の上記エントリ群(とそれについたブックマーク)については時間のあるときに改めて語りたい。

昭和天皇が国民に感謝していたら

 A級戦犯が合祀されて以降、昭和天皇靖国神社の参拝を行わなくなった。これは有名なので私でも知っている。しかし不勉強であるため、A級戦犯合祀以前にどういう感じで参拝していたのかはぜんぜん知らない。「朕の国体を守るためによく命を捨てて戦ってくれた! 感動した!」とか感謝の言葉を述べていたのだろうか。

 もちろん実際は「国内外の方々の犠牲を痛ましく思います」とか「不戦の誓いを新たに〜」的な無難なコメントしか残さなかったであろうことは想像がつく。調べてはいないけれど確実だろう。

 では、昭和天皇「皆様の犠牲のおかげで伝統ある天皇制を護持できました」「朕の戦争責任を追及せずうやむやにして頂き、心より感謝申し上げます」などと国民に率直な喜び・感謝の意を表することは本当にありえないのだろうか。

 昭和天皇がそうしない理由はいくらでもある。早々に降伏しても天皇制の存続が認められていたなら犠牲に感謝するのは筋違いだし、昭和天皇天皇制の存続を望んでいたとは限らないし、戦争責任を問われずにいたことを本人は心苦しく思っていたかもしれない。国民(臣民)が天皇に尽くすのは当然という価値観の持ち主であった場合や、国民の不甲斐なさに憤っていた場合、自身に戦争責任があると考えていなかった場合なども、感謝の念など抱きようがないはずだ。

 なので、あくまで仮定の話とする。大勢の犠牲の上に自身の地位が成り立っていると認識した上で、昭和天皇が公然と国民に感謝を示した……というパラレルワールドにおいて、感謝を向けられた下々の者たちはどのような反応を見せるだろうか。ちょっと考えてみたが、概ね以下のように大別されるような気がする。

(1) 「なんともったいないお言葉!」 「よくぞ言ってくれた」 「国民にありがとうと言えるなんてさすが」
(2) (ちょ、陛下がそんなことを仰ってはなりませぬ) (黙ってれば私らがうまくやりますから空気をお読みください!)
(3) 「天皇ってこんな人だったん?」 「なんか失望した」
(4) 「自分で犠牲を強いておいて感謝はないわ」 「感謝するより謝罪しろよ……」
(5) 「どうでもいい」 「よくわからん」 「興味ないわー」

 ちなみに私なら正直さを評価しつつ4番目だ。天皇を深く敬愛しているっぽいMukkeさんやsionsuzukazeさんなどは1番か2番だろう。ここにないような反応をする人もいるかもしれない。

 しかし実際のところ、昭和天皇が自身の戦争責任や天皇制の是非をどう考えていたのか気になる。当人の立場ならきっちり意見を表明していてもおかしくない話題のはずだが、不勉強なせいか見聞きした覚えがない。もし死ぬまでノーコメントを貫いていたのなら(あるいは抽象的な言い回しで煙に巻いていたのなら)、多少は後ろめたさがあったのかもしれない。もちろん私が知らないだけでがっつり語っていた可能性もあるので、もしご存じの方がいらっしゃるなら教えていただけると嬉しい。

天皇 on Twitter

 そういえば天皇Twitterをやらないのだろうか、とふと気になった。私自身はTwitterをやらないというか使い方もよく知らないので、仮に天皇のアカウントがあったとしても閲覧することはまずないだろうけれど。

 もちろん天皇は多忙であろうからTwitterをやっている暇はないかもしれないし、「発見器」となることを危惧され宮内庁あたりから禁止されているのかもしれない。いずれにせよ現状では天皇Twitterをやっていないようだ。

 そこで勝手に妄想してみた。天皇Twitterをやったらこんな感じかもしれない。


 こんな画像でも作るのに四時間くらいかかった……。実は最後のネタをやりたかっただけなので他の発言内容は適当だ。

 画像で引用されているsionsuzukazeさんのツイートは実在する(https://twitter.com/sionsuzukaze/status/156786841738162176)。天皇Twitterで咄嗟に想起したものがこれだったので使わせていただいた。

 それから深く考えずに決めた天皇のアカウント、画像の完成後に気になって打ち込んでみたら、実在することが判明した(https://twitter.com/Emperorjp)。ちょっと気まずいけれど、もう作り直す気力もないのでそのままにしておく。しかし実在するEmperorjpさん、ツイート0、フォロー0、フォロワー0というのが不気味だ。さすがに天皇ご本人ではないだろうけど。