先に捨て台詞

 さんざん殴りあってから(見苦しい言い争いをしてから)書くと「捨て台詞」とか言われそうなので先に書いておくことにする。

 私はブログおよびブックマークコメントで何度か名指しでinumashさんを批判している。その理由はinumashさんの言動が気に食わないからだ。はっきり言って人格的にはまったく尊敬していないし、下種野郎と断じることさえ躊躇はない。べつに「悪魔化」がどうとか的外れな揶揄をされたから根に持っているわけではなく、前々からinumashさんのことは嫌っていた。むしろ「悪魔化」の件は、私がねちねち絡む動機付けとなって嬉しいくらいだ。

 しかし、なぜかinumashさんは私の発言には何も反応を見せない。これはおそらく相手が悪い(分が悪いという意味ではなく頭や性格が悪い)と見なして無視する戦術なのだと思う。頃合いを見計らって「あの人は話にならないので無視してます」「変な人に粘着されていますが」などと言うつもりではないだろうか。

 この無視戦術に気づいたのはinumashさんを批判する最初のエントリをアップして以降だが、実はこれは私にとっても僥倖だった。年齢が30近くなると、話の合わない他人と本格的に議論する体力も失われる。なので、一方的に石を投げることができ、投げ返される心配のないinumashさんのような人は本当にありがたい。これからも無視してほしいと切に願う。「まんじゅうこわい」とか「押すなよ、絶対に押すなよ!」ではなくて本心から。

 ところでinumashさんは最近亡くなった忌野清志郎さんのファンで、忌野清志郎さんは「排除やディスコミュニケーションを肯定したことなんて一度もない」らしい。さすがinumashさんの言葉には含蓄があると思った。

inumashさんをぐじぐじ非難する・その3

 さて、inumashさんの言動を非難するシリーズの3回目。私が絡んでいない場所の話題で恐縮なのだけど、これはないだろうと思ったので。

忌野清志郎さんが亡くなられたそうで、ご冥福をお祈りします。ファンの方がどんなコメントを寄せているのかと思ってニコニコ動画を見たんですけど、酷い荒らしが沸いてました。
(略)
ここまで来ると思想云々ってより、もはや病気の類ですね。同じ日本人ってーか、同じ人類だとは思いたくないです。

死者に敬意を払えない酷使様 - 解決不能

 というhagakurekakugoさんのエントリの話。亡くなった忌野清志郎さんに下種な言葉を寄せていた人物をhagakurekakugoさんが発見し取り上げる。そして死者に最低限の敬意も払えないその人物に対し嫌悪感を表明したという状況*1。これにinumashさんが難癖をつけていたのだけど、その論理がすごい。

inumash 大変申し訳ないが、『同じ日本人ってーか、同じ人類だとは思いたくないです。』なんて言葉も死者に対する冒涜だ。清志郎はそんな排除やディスコミュニケーションを肯定したことなんて一度もないぞ。 2009/05/03

はてなブックマーク - 死者に敬意を払えない酷使様 - 解決不能

inumash なんだ、ファンじゃないのか・・・。特に思い入れとかもないんだろうな。/内実を伴わない空虚な“敬意”とやらに一体何の意味があるんだろうなぁ・・・。 2009/05/03

http://b.hatena.ne.jp/entry/http://b.hatena.ne.jp/entry/http://d.hatena.ne.jp/hagakurekakugo/20090503/p1

inumash id:hagakurekakugo “不快”の果ての切断・排除に対して異を唱えてきたのが故人です。そして上っ面の“敬意”なんてものに唾を吐いてきたのも故人。故にその両面を備えたこのエントリ“も”冒涜と僕は見なします。 2009/05/04

http://b.hatena.ne.jp/entry/http://b.hatena.ne.jp/entry/http://b.hatena.ne.jp/entry/http://d.hatena.ne.jp/hagakurekakugo/20090503/p1

 ここでinumashさんが使っている「敬意」という言葉は、エントリのタイトルに対応している(はず)。「死者に敬意を払えない酷使様」というタイトルからは、死者には敬意を払えという主張が読み取れ、hagakurekakugoさん自身が死者(忌野清志郎さん)に一定の敬意を示していることもわかる。その「敬意」をinumashさんは「内実を伴わない空虚な」「上っ面の」と誹謗している。おそらくinumashさんは気軽に言ったのだろうが、これは大変な問題を内包していると思う。

 たとえばイラクでもパレスチナでもどこでもいいけど、日本から遠く離れた国々には現在進行形で殺されている人間が大勢いる。その死傷者一人一人に思い入れのある日本人なんてほとんどいないだろう。しかしその死んでいく人々を悼む日本人は大勢いるはずだ(私も一応はそれに近い感情を抱いている)。

 inumashさんの理屈に従うと、私たち日本人が彼らを悼む心は「内実を伴わない空虚な敬意」とされてしまう。名前も知らない、どんな生活を送ってきたかも知らない相手の死や苦しみに想いを馳せるのは上っ面の感情に過ぎないと。

 まあ、それはそれでひとつの考え方だろう*2。しかし、わざわざお前の抱いている感情は空虚なものだと他人を愚弄することになんの意味があるのだろう。inuamshさん(とその同調者)の気分がよくなるだけだろうに*3。それどころか、自分と関わりのない不正義は容認しろという無言の圧力になりかねない。

 inumashさんは思いつきでhagakurekakugoさんに難癖をつけ、結果として見知らぬ他人の人権を守ろうとしている人全員を冒涜してしまったように思う。正直これは私の誤読であってほしいほどなので、もし勘違いであることがわかったならすぐに撤回してもいいんだけど。

*1:私なら別の表現にするだろうけど気持ち的には同感。

*2:wiselerさんが死者を悼む発言をしないというのも同じ理由かもしれない。

*3:ちなみにhagakurekakugoさんのエントリには意義があると思う。ああいうのは馬鹿馬鹿しい、恥ずかしい行為だという認識を広く共有する助けになるから。