inumashさんをぐじぐじ非難する・その3

 さて、inumashさんの言動を非難するシリーズの3回目。私が絡んでいない場所の話題で恐縮なのだけど、これはないだろうと思ったので。

忌野清志郎さんが亡くなられたそうで、ご冥福をお祈りします。ファンの方がどんなコメントを寄せているのかと思ってニコニコ動画を見たんですけど、酷い荒らしが沸いてました。
(略)
ここまで来ると思想云々ってより、もはや病気の類ですね。同じ日本人ってーか、同じ人類だとは思いたくないです。

死者に敬意を払えない酷使様 - 解決不能

 というhagakurekakugoさんのエントリの話。亡くなった忌野清志郎さんに下種な言葉を寄せていた人物をhagakurekakugoさんが発見し取り上げる。そして死者に最低限の敬意も払えないその人物に対し嫌悪感を表明したという状況*1。これにinumashさんが難癖をつけていたのだけど、その論理がすごい。

inumash 大変申し訳ないが、『同じ日本人ってーか、同じ人類だとは思いたくないです。』なんて言葉も死者に対する冒涜だ。清志郎はそんな排除やディスコミュニケーションを肯定したことなんて一度もないぞ。 2009/05/03

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inumash なんだ、ファンじゃないのか・・・。特に思い入れとかもないんだろうな。/内実を伴わない空虚な“敬意”とやらに一体何の意味があるんだろうなぁ・・・。 2009/05/03

http://b.hatena.ne.jp/entry/http://b.hatena.ne.jp/entry/http://d.hatena.ne.jp/hagakurekakugo/20090503/p1

inumash id:hagakurekakugo “不快”の果ての切断・排除に対して異を唱えてきたのが故人です。そして上っ面の“敬意”なんてものに唾を吐いてきたのも故人。故にその両面を備えたこのエントリ“も”冒涜と僕は見なします。 2009/05/04

http://b.hatena.ne.jp/entry/http://b.hatena.ne.jp/entry/http://b.hatena.ne.jp/entry/http://d.hatena.ne.jp/hagakurekakugo/20090503/p1

 ここでinumashさんが使っている「敬意」という言葉は、エントリのタイトルに対応している(はず)。「死者に敬意を払えない酷使様」というタイトルからは、死者には敬意を払えという主張が読み取れ、hagakurekakugoさん自身が死者(忌野清志郎さん)に一定の敬意を示していることもわかる。その「敬意」をinumashさんは「内実を伴わない空虚な」「上っ面の」と誹謗している。おそらくinumashさんは気軽に言ったのだろうが、これは大変な問題を内包していると思う。

 たとえばイラクでもパレスチナでもどこでもいいけど、日本から遠く離れた国々には現在進行形で殺されている人間が大勢いる。その死傷者一人一人に思い入れのある日本人なんてほとんどいないだろう。しかしその死んでいく人々を悼む日本人は大勢いるはずだ(私も一応はそれに近い感情を抱いている)。

 inumashさんの理屈に従うと、私たち日本人が彼らを悼む心は「内実を伴わない空虚な敬意」とされてしまう。名前も知らない、どんな生活を送ってきたかも知らない相手の死や苦しみに想いを馳せるのは上っ面の感情に過ぎないと。

 まあ、それはそれでひとつの考え方だろう*2。しかし、わざわざお前の抱いている感情は空虚なものだと他人を愚弄することになんの意味があるのだろう。inuamshさん(とその同調者)の気分がよくなるだけだろうに*3。それどころか、自分と関わりのない不正義は容認しろという無言の圧力になりかねない。

 inumashさんは思いつきでhagakurekakugoさんに難癖をつけ、結果として見知らぬ他人の人権を守ろうとしている人全員を冒涜してしまったように思う。正直これは私の誤読であってほしいほどなので、もし勘違いであることがわかったならすぐに撤回してもいいんだけど。

*1:私なら別の表現にするだろうけど気持ち的には同感。

*2:wiselerさんが死者を悼む発言をしないというのも同じ理由かもしれない。

*3:ちなみにhagakurekakugoさんのエントリには意義があると思う。ああいうのは馬鹿馬鹿しい、恥ずかしい行為だという認識を広く共有する助けになるから。