日の丸「切り刻み」問題

 しょうもない(ついでに気持ち悪い)話題だと思いながら眺めていたのだけど、どうにも気になることがある。

 麻生首相「最後にもう1点、鳩山代表に申し上げておきたいことがあります。去る8月8日、鹿児島県内で開かれた民主党の集会でのことであります。壇上に大きな民主党の党旗が掲げられておりました。あの赤い丸が上下に二つ並んだかたちであります。しかし、これをよく見ますと、それは日本の国旗、日の丸の旗を切り刻んで上下につなぎあわせておられます。私の支援者から報告が寄せられておりましたんで、そんなことはないだろうと一応言いました。これは民主党のホームページにも写真が載っております。確かに載っておりました。私は国家の象徴としての国旗を切り刻む、そのようなことがあったとは正直、信じたくはありません。日本の国旗を切り刻むという行為がどういうことなのか、私にはとても悲しく、これは許し難い行為であるというように思っております。(以下略)」

http://sankei.jp.msn.com/politics/election/090817/elc0908171549019-n3.htm

 ここで麻生氏が使っている「切り刻む」という表現は、日本語として適切なのだろうか? 二枚の日の丸の端を裁断してニコイチで民主党の党旗に作り替えたとして、それを「切り刻む」と表現するのは、どうにも違和感が湧く。

 私の言語感覚としては、「切り刻む」という表現は対象がボロボロまたはバラバラになるほど細かく切る様を指す。今回のケースでは明らかに誤った使い方だと感じる。

 麻生氏の人徳を考えれば「また日本語を間違ってるぜゲラゲラ」という声があってもよさそうなのに、ざっと調べた範囲ではそういう指摘が見つからない。それどころか「切り刻む」という言い回しが当然のように広まっている印象だ。うーん、もしかして私の日本語の理解が間違っているのだろうか? だとするなら少しショックだ……。